パスワードスプレー攻撃とは?アカウントを守る方法

  • パスワードスプレーは、大量のアカウントに対して同じパスワードを試行する攻撃です

  • 攻撃者は、アカウントのロックアウトを回避するために、ログイン試行を分散させます

  • 脆弱なパスワードや使い回しパスワードを設定していると、攻撃されやすくなります

  • 強力なパスワード、多要素認証(MFA)、セキュリティ対策を行うことで、リスクを低減できます

パスワードスプレー攻撃とは?

パスワードスプレー攻撃とは、よく使われるパスワードあるいは単純なパスワードを、攻撃者が多数のアカウントに対して試行するログイン攻撃の一種です。1つのユーザーアカウントに対して数百ものパスワードを試行するのではなく、複数のアカウントに対して試行を分散させることで、各アカウントで数回のログイン失敗しか発生させないように仕組んでいます。

この手法において、パスワードスプレー攻撃は典型的なブルートフォース攻撃とは異なります。パスワードスプレー攻撃は、アカウントのロックアウトを回避するように設計されているため、ブルートフォース攻撃に比べるとプロセス速度が遅く、検知されづらいです。パスワードスプレーがログインに成功した場合、攻撃者はメールを閲覧したり、業務用ツールへの不正アクセス、パスワードのリセット、その他の機密アカウントも狙う恐れがあります。

一般的なパスワード

攻撃者は、季節的なフレーズ、会社名、予測可能なパターン、あるいは単純な数字や記号を組み合わせたバリエーションなど、ユーザーが選びそうなパスワードを大量に試行します。

大量のアカウント

パスワードスプレー攻撃は、特定のユーザーに焦点を当てるのではなく、膨大な数のユーザーアカウントに分散してログインを試みることで、個々のアカウントロックアウトを回避しようとします。

試行が低頻度かつ低速

攻撃者は、アカウントのロックアウトを回避するため、ログイン試行の間隔を空ける可能性があります。多数のアカウントにおけるログイン失敗記録を確認することで、このような攻撃パターンを特定できます。

社内用アカウント

社内用のメールアカウント、クラウドアプリ、VPNログインポータル、管理パネルは、1回のログイン成功で大量の機密データや社内ツールへのアクセス権が得られる可能性があるため、標的となりやすいです。

ユーザー名の流出

パスワードスプレー攻撃は、公開されている社員情報やメールアドレス、過去の情報漏洩事件で流出したユーザー名、あるいは「[email protected]」のような推測可能なアドレスから取得したユーザー名を標的にして攻撃を仕掛けることが多いです。

パスワードスプレー攻撃の仕組みとは?

大半の場合、パスワードスプレー攻撃は自動化されており、仕組みは単純です。攻撃者はユーザー名を収集して、一般的に使われているパスワードを多数のアカウントに対して試行します。

01

攻撃者がユーザー名を収集

攻撃者は、公開されているWebサイト、スタッフ紹介ページ、過去の漏洩データ、ソーシャルメディアのプロフィール、あるいは予測可能なメールアドレスなどから、ユーザー名やメールアドレスのリストを作成します。

02

パスワードの選定

攻撃者は、一般的に使われているパスワード、季節的なフレーズ、会社に関連する言葉、あるいは単純なパターンを選出します。予測可能なパスワードを設定しているユーザーも多いため、このような単純なパスワード推測でログインを突破してしまいます。

03

攻撃の分散化

パスワードスプレー攻撃は、1つのアカウントに対して大量のパスワードを試すのではなく、1つのパスワードを大量のアカウントで試します。これにより、攻撃者はアカウントのロックアウトシステムを回避できます。

04

ログインの突破

脆弱なパスワードを設定していると、ログインが突破される可能性があります。攻撃者はアカウントに不正アクセスして、メール、クラウド上のファイル、管理ツール、またはアカウント情報を侵害する恐れがあります。

05

侵入の拡大

ログインが突破されると、攻撃者がパスワードをリセットしたり、フィッシングメールの送信、受信トレイの危険なルール設定、その他の機密アカウントも狙う恐れがあります。

パスワードスプレー攻撃の
過去の事例とは?

パスワードスプレー攻撃が多用される最大の理由は、高度なマルウェアやソフトウェアの脆弱性を悪用する必要がないためです。脆弱なパスワード、公開されているユーザー名、および厳重なセキュリティチェックのないログインシステムを悪用するだけで攻撃を仕掛けられてしまいます。

2024年

Microsoftの侵害事件

2024年1月、Microsoftは、MFA(多要素認証)が有効化されていなかった非本番環境のレガシーテナントのテストアカウントが「Midnight Blizzard」のパスワードスプレー攻撃によって侵害されたことを公表しました。この攻撃によって、経営幹部やサイバーセキュリティ部門、法務部門のチームが使用するアカウントなど、Microsoftの一部の企業メールアカウントが不正アクセスされたとのことです。

2024年

OWAを標的とした攻撃

2024年9月、ロシア軍のサイバー攻撃者がユーザー名とパスワードを不正入手するため、パスワードスプレーを用いてMicrosoftの「Outlook Web Access(OWA)」のインフラに攻撃を仕掛けたとCISAおよび提携機関が報告しました。この事例により、インターネット公開システムやメールシステムにおける、多要素認証(MFA)、ログイン監視、および強力なパスワード管理の重要性が浮き彫りとなりました。

2021年

SVRの活動

2018年にロシアのSVRに所属するサイバー攻撃者が大規模ネットワークを侵害した際、パスワードスプレー攻撃を使って管理者アカウントの脆弱なパスワードを特定したことが2021年のCISAの勧告によって明らかとなりました。これは、法人アカウントには個人アカウントよりも更に強力なセキュリティを導入する必要性が明らかとなった事例です。

パスワードスプレー攻撃の
リスクと被害とは?

パスワードスプレー攻撃の主な被害は、アカウントへの不正アクセスです。攻撃者がアカウントへ侵入すると、そのアカウントを介して他のシステムにも侵入したり、機密データの窃取、更にはアカウントが詐欺に悪用されるリスクがあります。

アカウント乗っ取り

アカウントのパスワードが突破されると、攻撃者はメール、クラウドストレージ、業務用ツール、その他のアカウントにも侵入する恐れがあります。被害の範囲は、侵害されたアカウントが持つ権限の範囲によって異なります。

データ漏洩

アカウントには、メールアドレス、ファイル、請求書、顧客情報、パスワード、パスワード再設定リンクなどが含まれているため、たった1つのアカウントが侵害されただけでも、大量のデータが漏洩する恐れがあります。

事業妨害

パスワードスプレー攻撃が仕掛けられると、通常の業務を中断して調査作業、アカウントのリセット、アクセス遮断、緊急のセキュリティ対応など、多大な作業に追われる可能性があります。

フィッシング攻撃への悪用

攻撃者は、侵害したアカウントを悪用して、連絡先、同僚、または顧客に対して、フィッシングメールを送信する恐れがあります。信頼性のあるアカウントから送信するため、通常のランダムなフィッシングメールよりも検知が難しくなります。

パスワードスプレー攻撃の標的
になりやすいユーザーは?

パスワードスプレーは、個人または組織を問わず攻撃を仕掛けますが、ユーザー名が特定されやすく、脆弱あるいは使い回しパスワードを設定しているユーザーは、標的になるリスクが高まります。

パスワードスプレー攻撃から
身を守るには?

第三者があなたのパスワードを推測するのを止めることはできませんが、こうした攻撃の成功を大幅に困難にすることは十分可能です。

固有のパスワードを設定する

各アカウントに強力な独自のパスワードを設定してください。特に、メール、銀行、Apple ID、および仕事用アカウントは厳重に管理しましょう。単純な文字に数字をいくつか加えたようなパスワードは推測されやすいため、ランダムな長文パスワードを設定するのが賢明です。

多要素認証(MFA)を有効にする

多要素認証(MFA)は、パスワードの入力後に異なる種類の本人確認ステップを追加することができます。これにより、たとえパスワードが突破されても、攻撃者がログインできないようにブロックできます。

推測されやすいフレーズは避ける

季節、会社名、スポーツチーム、誕生日、ペット、あるいは単純な文字列からなるパスワードは使用しないでください。パスワードスプレーで予測されやすいため、格好の標的となってしまいます。

ログイン通知に警戒する

ログイン失敗の警告、不審な場所からのアクセス通知、および自身がリクエストしていないパスワードリセットメールには警戒してください。第三者によりアカウントログインが試行されている恐れがあります。

脆弱なパスワードは変更する

ログインが突破されるのを防ぐため、脆弱なパスワード、使い回しパスワード、古いパスワードは変更しましょう。特に、メール、銀行口座、Apple ID、仕事用のアカウント、および支払い情報が登録されているアカウントのパスワードは厳重に保ちましょう。

IntegoがMacのログインセキュリティを強化する仕組み

パスワードスプレー攻撃はオンラインアカウントを標的としますが、すべてのWebサイトやクラウドサービスに対するログイン試行を絶対に阻止できるというMacのセキュリティアプリは存在しません。Intego ONE for Macは、ログイン、ファイルのダウンロード、ブラウジング、アカウント管理に使用するMac端末自体を保護することで、より広範なアカウントセキュリティをサポートします。

マルウェア対策

不審なダウンロードやメールの添付ファイルが送られてきた場合、Integoのウイルス対策機能が、Macを標的にした既知のマルウェアや危険なファイルを検出することができます。

通信接続の制御

Integoのファイアウォールは、インターネットや他のネットワークに接続できるアプリを制御して、不審なアプリの接続を簡単に検知・ブロックできます。

VPNによるプライバシー保護

Intego VPNは、共有ネットワーク等でのインターネット通信を保護します。パスワードスプレー攻撃を阻止するものではありませんが、共有・公共ネットワークでアカウントにログインする際のプライバシーを大幅に強化できます。

Macのアクティビティの可視化

SmartCleanは、不審なアカウントアクティビティが発生した場合、Macにインストールされているアプリ、ストレージ容量を大幅に消費しているアプリ、実行中のアプリなどを、素早く確認することができます。

よくある質問

Intego

信頼。実績。確実。

25年以上に渡って革新を続けるIntegoは、データ、プライバシー、デバイスといった最も重要な資産を守るために構築された高度なサイバーセキュリティソリューションを提供してきました。

受賞歴のあるウイルス対策、ファイアウォール、VPN、システム最適化ツールを搭載し、MacおよびPCユーザーが求めるシンプルさと信頼性を備えた強力な保護を実現します。

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